私の文章は「人間らしい」と見てもらえるだろうか
公開済み記事を一括チェックするダッシュボード――数百本の記事を1画面で診断する方法
前回までの2回では、ディスカバーチェックリストとは何を確認するものなのか、そしてなぜキーワード密度を項目から外したのかについて説明した。

ただ、このチェックリストが表示されるのは編集画面だ。つまり、記事を1本ずつ開かなければ確認できない。
では、すでに200本、500本の記事を公開しているサイトはどうすればいいのか。1本ずつ開いて確認するわけにはいかない。
この問題を解決するために作ったのが、公開済み記事を一括で確認できるダッシュボードだ。
なぜ編集画面のチェックリストだけでは不十分なのか
私はSOHO SEOを開発する際、この2つの画面を最初から対になるものとして設計した。
編集画面のチェックリストは「これから書く記事」のためのもので、ダッシュボードは「すでに書いた記事」のためのものだ。
この区別が重要なのは、実際にWordPressサイトを運営している人の多くが、プラグインを新しく導入する時点ですでにかなりの量の記事を蓄積しているからだ。
複数のサイトをコンサルティングする中で、私はこうした状況に何度も直面してきた。
新しい記事はチェックリストのおかげで管理できても、過去に書いた数百本の記事は、アイキャッチ画像がなかったり、著者情報が抜けていたり、ビューポートが設定されていなかったりする状態で放置されていた。
新機能をどれだけ丁寧に作っても、過去のコンテンツを見直さなければ、サイト全体の信頼シグナルは低いままだ。だから私は、ダッシュボードは任意の機能ではなく、必須の機能だと判断した。
すべてを1画面に詰め込まなかった理由
ダッシュボードを設計し始めた頃、ひとつの誘惑があった。すべての情報を1画面に表示したいという誘惑だ。
アイキャッチ画像の有無、E-E-A-Tの充足状況、クリックベイトの有無、ビューポートの設定状況をそれぞれ列に分け、すべてテーブルに入れることもできた。
これは情報を隠そうとしているわけではない。
数百本の記事を1画面に並べるとき、5つの項目をそれぞれ列として展開すれば、テーブルが横に長くなりすぎる。
モニターの幅を超えるテーブルでは、縦にも横にもスクロールしなければならず、結局、誰もきちんとは見なくなる。私はこの画面の目的を「詳細な診断」ではなく、「優先順位をつけること」だと考えた。
まずはスコアの低い記事から手をつければいい。どこに問題があるのかは、その記事をクリックして編集画面を開けばすぐにわかる。一覧画面と詳細画面の役割を分けたのだ。
スコアをキャッシュしておく理由
このダッシュボードでは、パフォーマンス面でも気を配った点がある。1本の記事を確認するだけなら負荷は小さいが、これが500本、1000本と増えると、毎回計算し直すのは大きな負担になる。
そこで、スコアを計算したら投稿メタ(_sohose_score)にキャッシュしておくようにした。
ダッシュボードを開くたびに再計算するのではなく、キャッシュされた値があれば、そのまま表示する。
その代わり、各記事の横には「再チェック」ボタンを個別に用意した。

なぜ自動更新ではなく手動ボタンなのか。ここには、もうひとつ技術的な理由がある。チェックリスト項目のうち、モバイルビューポートの確認は、データベースの値を読み取るだけでは済まない。実際にそのページを一度読み込み、レンダリングされた結果を確認する必要がある。
これはページのコンテンツそのものを走査するよりもコストがかかる。そこで、この項目の結果はトランジェントに一時保存し、「再チェック」を押したときだけ新たに確認するようにした。
私はこれを「必要なときだけコストを支払う」設計と呼んでいる。すべての記事を常に最新の状態に自動更新するほうが理想的に見えるかもしれない。しかし実際には、公開後に内容が変わらない記事がほとんどだ。キャッシュされたスコアで十分であり、テーマを変更したときや画像が壊れたときだけ、再チェックボタンを押せばいい。
カテゴリーの絞り込みを用意した理由
ダッシュボードには、カテゴリーを選択するドロップダウンも用意している。
なぜこれが重要なのか。
実際にサイトを運営している人たちの作業方法を観察したうえで、この機能を加えた。
ほとんどの編集者は、「すべての記事を直そう」と考えて作業を始めるわけではない。
その代わり、「今週はこのカテゴリーから手を入れよう」という具合に、対象を絞って取り組む。
特に、数年前に運営されていたものの、その後放置されているコーナーのような古いカテゴリーでは、スコアが極端に低い記事が集中していることも多い。
カテゴリーごとに絞り込んで見れば、どこから手をつけると効率がいいのか、すぐに見当がつく。
すべての記事を一度に表示するよりも、このように作業単位を分けて見せたほうが、実際の改善作業につながる可能性は高いと判断した。

なぜ1ページ20件なのか
1ページにつき20件を表示し、ページ番号で切り替えられるようにした。
これも意図的に決めた数字だ。
この数字は何度もテストしたうえで、20件が適切だと判断した。1画面を1、2回スクロールすれば、全体を見渡せる量だからだ。
編集権限を確認する理由
この画面には、edit_others_posts権限を持つユーザーだけがアクセスできるよう制限をかけている。
些細なことに見えるかもしれないが、私はこれを重要だと考えている。ダッシュボードは、サイト全体のコンテンツ品質を一目で把握できる画面だからだ。
どの記事のスコアが低いのか、どの執筆者がチェックリストをあまり守っていないのかが、明らかになる可能性がある。
これは編集長やサイト管理者が見るべき情報であって、単なる寄稿者権限を持つ人全員に公開すべきものではないと判断した。
寄稿者それぞれの編集画面では自分の記事に関するチェックリストだけを表示し、全体を一目で把握できる画面へのアクセスは、管理権限を持つ人に限定したのである。
SOHO SEOのチェック・スコアは正確か
自分の文章を誰かに、しかもあらかじめ定めた基準で評価されるというのは、むしろ人間らしさに反する行為だ。
人間らしさとは、どこへ向かうのか予測できない個性や創造性にこそ表れるものだからだ。そうした要素を評価して数値化することはできない。
それでも、Googleが求めている方向性を推し量ることは、ある程度まで可能だ。
AIが書く文章よりも人間らしいものとは何か。その問いへの好奇心と研究を土台に、この基準スコアは動いている。
だから、「自分の文章こそ最高の文章だ」「最も人間らしい文章だ」といった見方は、このプロセスにおいて意味を持たない。
むしろ、「文章があまりに平板で、味気なく見える」「ありきたりな語り口に基づいているため、AIが書いた文章だと誤解されるかもしれない」といった判断のほうが、この基準に近いと考えるべきだろう。

この記事はDECOBLOCKSを用いてデザインされています。